認知症になった家族の介護、一体何が大変なの?
認知症になった高齢者を介護している家族は、一体どんなことで悩んでいるのでしょうか?家族の認知症介護の悩みを種類別にまとめました。

認知症と聞くと、それだけで大変そう!と感じますが、実際に認知症の方と接したことのない人は、認知症介護の何が大変なのか、なかなか理解できないものです。認知症介護を頑張っている方が悩んでいることについて聞いてみました。
身体的・肉体的負担による認知症介護の悩み
- 夜中にトイレを失敗して起こされることが度々あるので、なかなか睡眠がとれない。
- 毎日のように「家に帰ります。」と言って自分の家から出て行こうとする。ずっと見守り続けることに疲れた。
- トイレに行っても、ズボンの上げ下ろしから水を流すところまで、一回一回全部説明しないとなにも出来なくて困る。
- 母は夜起きるたびに混乱して、小さい頃の私を探しまわる。自分だと言っても「あの子は10歳だ」と言って聞かない。一度興奮すると朝まで眠ってくれない。
- 怒るとすぐ手をあげる父。できるだけ怒らせないようにしているが、いったん暴れ出すと誰にも止められない。
精神的・心理的負担による認知症介護の悩み
- 1つのことが気になると、2~3分おきに同じことを聞いてくる。つい、「さっきも言ったでしょう?」と声が大きくなってしまう。
- 義母とはずっとうまくいっていたのに、認知症になった途端、嫁である私のことを悪く言うようになった。もう介護を続けたくない。
- 徘徊があるので目が離せない。家で二人きりでいると気持が滅入ってくる。
- ことあるごとに「私のお金知らない?」と聞いてくる。まるで自分が盗ったと思われているようでとても嫌な気分になる。
- 母が、自分を忘れてしまったことが受け入れられない。「あなた誰?」と聞かれることが辛い。
介護中の事故やトラブルに関する心配・悩み
- 目を離したすきに家を出て車に轢かれかけたことがある。その時から事故が怖くてしかたない。
- 家の薬箱を開けて、中の薬を食べ物だと思って食べていたことがあった。
- 料理が得意だった母が、火をかけたことを忘れて、あやうく火事になるところだった。
- 近所のおばあさんと大喧嘩になったことがあった。お互いに「意味の分からないことを言う」とひどく興奮していた。
- 近所のスーパーで会計をせずに店を出たことがあった。店員にとがめられてひどく怖がっていた。それから買い物はずっと付き添うことにしている。
認知症=必ずしも介護が大変というわけではない。
一口に認知症と言っても、その症状は千差万別です。
また、同じ人でも、進行具合によって症状は変わってくるものです。
例えば、徘徊に悩んでいた人でも、1年後には全く徘徊をしなくなっていることも十分にあり得ます。
また、周囲の人の接し方で、症状がかなり和らぐことも少なくありません。
今回は、認知症の家族を介護している人の悩みを中心に挙げましたが、認知症であっても、穏やかな気持ちで充実した介護をしている方もたくさんいらっしゃいます。
もし周囲に認知症介護で悩んでいる方がいらっしゃったら、まずは話を聞くことから、少しでも助けになってあげてください。
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