元気なうちだからこそ話し合っておきたい親の老後について
親が65歳になり定年を迎え、年齢の上では高齢者でも、実際の65歳はまだまだ元気!老後という感覚でない方も多いはず。そんな元気なうちだからこそ、老後について話し合ってみませんか?

老後の生活・介護・お葬式・・・両親の希望を知っていますか?
- 万一介護が必要な状態になった時、自宅か施設のどちらで介護を受けたいか。
- 身体が動かなくて寝たきりになったら、点滴などの延命治療を望むか。
- お葬式は盛大にしたいか、ささやかにしたいか。
- どんな形で埋葬してほしいなどの希望はあるのか。
自分の親が、どんな風に考えているのかをご存知ですか?
誰にも等しく必ず訪れる死とその前段階について、親子で共通の認識を持っておくことは、実はとっても大切なことなのです。
望まない介護や治療をできるだけ避けるために。
自分の親の希望を知っておくことで、将来本当に介護や医療が必要になった時に役に立つことがあります。
例えば親に万一のことがあった時に延命治療をするかどうか、兄弟の間で意見が割れることがありますが、あらかじめ本人の希望を知っていれば、その希望に沿うことができます。
また、施設に入所せざるを得ない状況になった時、お子さんが罪悪感で苦しむことがありますが、「認知症になったら施設に入ってもいいよ。」というひと言を聞いていたおかげで少しは楽になったという人もいます。
他にも、死ぬまで自宅で過ごしたいと言っていた親を、最期だけでも退院させて自宅の畳の上で看取る方もいらっしゃいます。
これらの場合は全て、前もって親の希望を聞いておけたからこそ叶うことなのです。
元気だからこそ話し合えることがあります。
病気・介護・葬式など、死を連想させることは、日本人の生活の中でタブー視されることもあるでしょう。
中には、話を持ち出すだけで「縁起が悪い」と怒り出す人もいるかもしれません。
ですが、元気なうちでないとこのような話をすることはできません。
病床の親に向かって、延命治療や葬式の話を持ちかけることは出来なくなりますし、また認知症になってからでは意思の確認が難しくなります。
親が元気であるからこそ、話せることもあるのです。
テレビの話題や、他人の話を持ちかけながら意思を探ってみる。
話題が話題だけに、あらたまって話をすることは避け、できるだけ気軽に話題をふってみるのが良いでしょう。
例えば、テレビの介護施設特集を見ながら、「お父さんだったらこういう所に入りたいと思う?」と聞いたり、ドラマを見ながら「もしお父さんに先立たれたら、子供と同居したいと思う?」と尋ねてみてください。
また、より具体的な話をしたい場合は、「知り合いにこういう人がいるんだけど、もしお母さんならどうする?」といったように、他人の話に置き換えて尋ねるのも良いかもしれません。
前もって希望を聞いていたからと言って、もちろんその通りにできるとは限りませんが、後になって「聞いておけばよかった」と後悔することもあるかもしれません。
まずは普段から、できるだけ気軽に将来の話をできる雰囲気を作っておくことが大切です。