長年の介護が報われる?遺産相続時にちょっと多く貰える寄与分って何?
長年親の介護をしてきた人と、そうでない人と、同じ兄弟でも遺産相続で貰える額は一緒なのでしょうか?実は、介護を頑張った人は少し多く遺産が貰える制度があるのです。

寄与とは、他の人よりちょっと多めに遺産をもらえる制度。
遺産相続にまつわる言葉として、「寄与」という言葉をご存知でしょうか?
寄与とは、親が亡くなって遺産相続をするときに、故人に対して特に貢献した人には、他の人より多く遺産を分ける制度のことです。
このちょっと多く受け取れる遺産のことを「寄与分」といいます。
例えば、遠く離れて暮らし、毎年正月しか帰ってこない長男と、近所に住みながら長年母親を介護してきた長女が、母が亡くなった後の遺産相続で全く同じ額を相続するというと、ちょっと不公平な感じがしますよね?
あるいは、父の事業を手伝ってきた長男と、全く手伝っていない次男では、父の遺産相続で長男の方が多く相続したいと思っても不思議ではありません。
そんな時に、通常相続する遺産より、ちょっと多めに上乗せして遺産をもらうことができるのです。
介護で遺産相続の寄与分を受け取るためにはどうすれば良い?
介護をした人が、親の遺産を少し多く受け取るためには、長年介護をしてきたことを証明する必要があります。
そのためにも、介護をしたとわかる証拠は必ず残しておきましょう。
裁判官に提出できるように、以下のような内容をしっかり残しておいてください。
- 介護日誌(何時~何時までどんなことをしたかを書いておく)をつける。
- タクシー代やおむつ代など、自分が支払ったお金があれば領収書を取っておく。
- ヘルパーやデイサービス等の職員とやり取りをしているメモやノートを残しておく。
- 親の介護についてメールやLineでやり取りしたら内容を残しておく。
遺産相続で寄与分を受け取るのは、長年介護をしてきた人の権利です。
親の介護は当たり前なのに、見返りを求めるなんて。
そう思う人もいらっしゃるかもしれません。
しかし、寄与分というのは、単に「介護を頑張ったからあげましょう。」という制度ではありません。
その人が長年介護をすることで、実際はヘルパーに払わなくてはいけなかったであろう代金が浮いているので、その分を返還しましょう。という制度です。
介護をする中で、自分の財布からお金が出ていくこともあると思います。それらを清算するという意味でも、寄与分を請求することは、何ら罪悪感を感じるべきものではないと思います。