編集長が集めた介護の情報をお届けします

介護のトピックス

前もって知ることで心の準備を!認知症の高齢者家族が老人ホームを探し出すのはいつ?施設探しのきっかけは?

「今、親の入所施設を探していて・・・」「いい老人ホームを探しているのだけど・・・」「すぐに入所できる施設ってある?」そんな声をよく聞きます。 認知症を患っている家族が老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅・グループホームなどの介護施設を選び始めるきっかけについて例を挙げてみました。

投稿日時
2020年9月29日
カテゴリ
介護に役立つ記事
タグ
認知症の高齢者
このエントリーをはてなブックマークに追加

一人暮らしの高齢者Aさん(80代)の場合

認知症の高齢者

認知症が進んできたものの、身の回りのことはかろうじてできていたAさん。ところがある時、うっかり鍋を火にかけて忘れてしまい、ボヤ騒ぎを起こしてしまいます
「あれ、これは一人にしておけないぞ。」

心配になった家族が施設を探し始めました。

夫婦で暮らしていたBさん(70代)の場合

軽い認知症があったBさん。

夫婦で暮らしていて、奥さんが身の回りのお世話をしていました。

ところが、ある時、奥さんが急死してしまいます。
奥さんの死後、急激に認知症が悪化し、一人で暮らしていくことが難しくなってしまいました。

施設に入っていたCさん(80代)の場合

老人ホームもともとCさんは、自立心の強い方でした。
子供に迷惑をかけたくないと、定年後自分で選んだ老人ホームに入居していました。

はじめは問題なかったのですが、数年後、認知症の症状が出てくると、老人ホームから「介護棟にうつってほしい」と言われます

しかし、介護棟は重度の方ばかりで、「自分は元気で認知症でもない」と思っているCさんには大変つらい場所でした。

それまで安心して施設に任せていた家族が慌てて他の施設を探し始めました。

息子家族と同居していたDさん(80代)の場合

Dさんはご主人の死をきっかけに、息子家族と同居を始めました。

Dさんの息子夫婦は共働きで、孫も高校生のため、平日の日中は一人になってしまいます。同居した当初は日中家事をして息子夫婦を支えていましたが、だんだん認知症が重くなってくると、買い物の帰りに迷子になることが増えました。

ある時、ついに帰ってこなくなり、警察に依頼してDさんを探してもらうと、十数キロ離れたスーパーで見つかりました。
心配になった息子夫婦は施設への入所を考え始めました。

子どもと離れた場所に住んでいるEさん(90代)の場合

Eさんには娘が3人いましたが、3人とも遠くに嫁いでしまったため、近くに家族がありません。一人暮らしをしていましたが、近所に住んでいた友人が入院したり、施設に入ったりして、だんだん孤独になってきました。
そのころから、娘が電話をしても話がちぐはぐで、季節や時間を混同する言動がみられました。
心配してEさんを近くに呼び寄せたいと考えた娘たちでしたが、それぞれマンション暮らしだったり、旦那の親と同居をしていたりして、3人とも同居をすることができません。
そこで、娘の一人が自分の自宅の近くに施設を探し、Eさんを呼び寄せることにしました。

一人暮らしのFさん(70代)の場合

認知症はあるものの、一人暮らしをして身の回りのことはある程度できたFさん。ところが、ある日散歩中に転んでしまい、脚の骨を折ってしまいます。

入院して病院のベッドの上にいるうちに、急に認知症が悪化して、幻覚を見たり幻聴が聞こえたりするようになりました。

このままでは一人暮らしの自宅に帰ることは難しいのではないか、と心配した家族は、一人暮らしの自宅に戻る算段をつけながらも、万一のために近所の施設を見回り始めました。

 

以上、6名の高齢者について、入所施設を探すきっかけを具体的に挙げてみました。これらの例えは決して特別なことではありません。

それどころか、実はどれもよくある話なのです。

特に認知症を患っている高齢者の場合、気づかないうちに認知症が悪化している場合や、入院や近しい人の死をきっかけに、急激に悪くなることが往々にしてあります。

そうなったときに家族として慌てないように、そして施設選びをするときに、ご本人の意向に少しでも添える施設を選び出せるように、万一の事態には早めに備えておくことが必要です。

投稿者
山本 由美子
投稿日時
2020年9月29日
カテゴリ
介護に役立つ記事
タグ