なぜデイサービスはたくさんあるのにグループホームは少ないの?
街中でたくさん見かけるデイサービス。それに比べて、グループホームは件数が少なく、空いていない、キャンセル待ちしなくては、というイメージを持っている方も少なくないのでは。では、実際にはどうなのでしょうか?

デイサービスとグループホーム、増えているのはどっち?
近頃、高齢者用のデイサービスがとても増えたなあ、と思われませんか?
実際に全国のデイサービスの数はどんどん増えています。
平成14年には11,429件だったのが、平成24年には35,453件に増加。
つまり、10年の間に3倍以上の件数に増えているということです。
一方グループホームはどうでしょう?
平成14年は2,210件だったのが10年後には11,770件。
なんと5倍以上の数に増えているのです。
実は、グループホーム自体の件数の伸び率はデイサービスのそれを上回っているのです。
ちょっと意外な結果だと思いませんか?
それでもやはり多いのはデイサービス
とはいえ、それでも平成24年の時点でデイサービスの件数はグループホームの約3倍です。
やはりデイサービスが沢山出来ているという感覚は間違っていはいないのです。
国内最多店舗数を誇るコンビニエンスストアセブンイレブンでも、平成24年の時点で14,500店舗です。
あれだけよく見かけるセブンイレブンの約2倍の数があるのですから、デイサービスの数がいかに多いかがわかります。
増加の理由は「設立のしやすさ」
デイサービスがこれだけ増えているには理由があります。
それは、グループホームや、それ以外の中規模以上の施設に比べて格段に設立がしやすいのです。
例えば、管理者に資格要件がなく誰でも管理者になれることや、小規模のデイサービスであれば看護師を置かなくても良いなど人員配置ひとつとってもそれほど厳しい条件ではないのです。(市町村によっても異なります。)
それに比べるとグループホームは、1ユニット(利用者9名)につき経験のある管理者が必要ですし、代表者も介護業務か介護事業の経験が必要です。
また、食堂や相談室・静養室・トイレなどの設備があれば設立できるデイサービスに比べ、グループホームでは食堂やお風呂などの他に一人ひとりに対して個室が必要になります。
設備の面でもかなり差があると言えそうです。
また、条件を満たせば開業できるデイサービスとは違い、グループホームは都道府県の審査を通過する必要があることも設立しにくい原因のひとつです。
とはいえ、デイサービスに関しても今後、新規の設立を少し厳しくしていく様子です。
多いということは選べるということ
空きがないと言われていたグループホームも、最近ではちらほらと空きが目立つようになってきました。
デイサービスも常に満員という事業所は、実はあまり多くありません。
これからは、たくさんのグループホーム・デイサービスの中でサービスの質が高い事業所だけが生き残っていく時代ではないでしょうか。
そのためにもまず、選択肢が星の数ほど(というのはちょっと大げさですがが)あるのだということを知って頂き、その中からご自分に合う介護のサービスを選んでいただきたいと思います。
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