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介護のトピックス

認知症で何度も同じことを言う家族にイライラしないためにできること。

認知症になった家族を介護していると、どうしてもイライラしてしまうという人が少なくありません。同じことを何度も聞いたり、何度言ってもわかってくれない家族に対して、イライラ怒ってしまわないようにするにはどうすれば良いでしょうか?

投稿日時
2015年5月25日
カテゴリ
介護に役立つ記事
タグ
認知症にイライラ
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認知症の家族を介護することは決して簡単なことではない。

認知症を患っている家族を介護する時に、ついイライラしてしまう、怒ってしまうという方がたくさんいらっしゃいます。
特に、初期の認知症の方を介護している時が一番イライラしてしまうようです。
家族に対して優しくなるにはどうすればよいのでしょうか?

まずは、ご自分がしている介護が決して簡単なことではないということを知ってください。認知症の方の介護は、人によって色んな症状が出たり、また色んな段階を経たりして、これが正解!というものがありません。
その都度試行錯誤していかなくてはいけない難しさがあります。

なので、イライラしてしまうから、自分は介護者失格だと思うのではなく、今は難しい局面にいるのだと思って、落ち込みすぎないようにしましょう。

「言えばわかってくれる」という希望を、いったん忘れましょう。

初期の認知症の方を介護しているご家族が陥りやすいのは、「何度も繰り返し言えばわかってくれるはず」という願望と、「何度も言っているのに全然わかってくれない」という現実とのギャップに悩むという事態です。

例えば、自宅にいるのに「家に帰りたい」と出て行こうとする人に対して、「ここが家ですよ。」と何度言っても通じなかったり、「息子はどこ?」と聞かれて「会社ですよ。」と何度も言っているのにまた同じことを聞かれたりして、介護者が疲れてしまってイライラすることがよくあります。

一度聞いたことでもすぐに忘れてしまうのが認知症の症状です。
「何度も言えばわかってくれるかも」とは思わない方が、イライラせずにすむと思います。

言葉で伝える以外の方法を、あれこれ試してみる。

とはいえ、同じことを何度も言ったり聞いたりしてくるご家族を無視はできません。
言葉で伝える以外の方法で、何かできることはないか試してみることが大切です。

「息子がいない」と探す方に対しては、例えば、紙に大きく「今日は仕事です。7時に帰ります。〇〇」と息子さんに書いてもらって一番目につきやすい所に貼ってみるとか、「今は会社に行っていますよ。」と言いながら、「そういえばこんな写真を見つけましたよ。」と息子さんのアルバムを渡して、気をそらすなどの方法があるかもしれません。

「家に帰りたい」と言われる方には、例えば「帰りたい」と言いだしそうな時間帯を見計らって、あらかじめ散歩に連れ出し一緒に家に帰ってくるとか、「ちょうど私も家に帰るところなので、一緒に帰りましょう。」と誘ってしばらく一緒に歩いてみるという方法もあります。

その方によって、何が効くか、何が効かないかはわかりませんが、いろいろ試すうちに「これが効果あるかもしれない」という策が見つかることもあります。

認知症の方の介護は、簡単なことではありません。
うまくいかなくても焦らずゆっくりと、色んな方法を試しながら、ご自分とご家族にあった介護の方法を探してみてください。

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投稿者
山本 由美子
投稿日時
2015年5月25日
カテゴリ
介護に役立つ記事
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