親の介護で仕事を辞めるべきかどうか?
親や配偶者に介護が必要になった時、介護を担う介護者が、働き盛りの40代、50代であるということは、よくあります。突然の介護に、仕事を取るか、家族の介護を取るか悩む方も少なくないかもしれません。実際に介護離職した人の人数と理由についてまとめました。

家族の介護・看護で仕事を辞めた人はどれくらいいるのか?
最近、介護離職という言葉をよく耳にします。
40代以降、急に親に介護が必要になるという話はよく聞きますが、介護が始まったことで退職を選ぶ人や、退職を余儀なくされる人が増えています。
総務省の調査によると、平成19年10月~24年9月の過去5年間で、介護を理由に退職した人はは48万7千人,このうち約8割が女性だということがわかっています。
平成23年~24年の1年間でも、10万1千人もの人が退職しているというのだから驚きです。
それだけ多くの人が、毎年介護を理由に仕事を辞めているのです。
介護で離職をする人の理由・なぜ仕事を辞めざるを得ないのか
一体なぜ、こんなにも介護で離職をする人が多いのでしょうか?
その理由には、例えば以下のようなことが挙げられます。
- 昔に比べて兄弟が少ないことで分担できず、1人にかかる介護の負担が大きい。
- 生涯未婚の男女が多く、配偶者の協力を得られない。
- 共働き家庭が多く、就業している夫婦のどちらかが離職することが多い。
- 社内で、介護休業を申請しにくい風潮がある。
- 体力的、精神的に両立ができない。
その他にも、自分の両親や配偶者の介護を他人に任せられないという責任感で離職を選ぶ人もいるようです。
家族に介護が必要になっても、早急に退職を選ばないで。
1年で10万人以上の方が介護を理由に離職する現在、家族が急に介護を必要とした場合、仕事を辞めて介護をするというのも選択肢の1つです。
しかし、一家の収入を担っている立場の方は、たとえ養うべき子供などがいなくても、まずは離職しない方法を選ぶことをおすすめします。
なぜなら、介護は10年以上も続く可能性があり、退職された方の中には、経済的な不安を抱え続けておられる方も少なくないからです。
何年も介護をして、無事に看取った時には50代で再就職が難しく、生活を続けることが困難になる方もいらっしゃいます。また、介護や看護にも費用がかかり、介護中に経済的に困窮してしまうケースもあります。
他にも、実際の介護は半年間だけで終わってしまい、離職を後悔する場合もあります。
介護で退職するかどうか迷った時、すぐに退職するのではなく、介護休業を利用したり、会社に残業を減らしてもらう協力を仰ぐ、部署や雇用形態を変えて貰うなどの方法で、両立ができないかどうかを、まず考えてみてはいかがでしょうか?