老人ホームは数百人待ちって本当?
"老人ホームって、何百人も待っている人がいるんだって。"そんなお話を聞いたことはありませんか?待機人数が数百人というのは、一体どんな施設でしょうか?

数百人待ちの施設=特養老人ホームです。
老人ホームや介護施設と呼ばれるものには色んな種類あります。
その中で、一般的に「数百人待ち」と言われる老人ホームは「特別養護老人ホーム」のことを指しています。
特別養護老人ホームは、省略して「特養」「特養老人ホーム」なんて言い方もされます。
何となく聞いたことがあるかもしれません。
特養の待機者は全国で52万人。
厚生労働省は、全国で特養の入所を待っている、いわゆる待機待ちの人数が52万人にのぼったと、2014年3月に発表をしました。
中でも東京都の待機人数は43,000人を超え、全国第一位です。
次に多いのは宮城県で38,000人以上。これはやはり震災の影響を受けているのではと感じます。
1つの施設500人以上の待ち人数が出ているケースもあり、人気のある特養に入所するのはかなり難しいといえます。
なぜ特養老人ホームだけがそんなに人気なのか?
どうして特養はこんなにも多くの人が待っているのでしょう?
大きく分けて2つの理由が考えられます。
1.看取りの時まで入所することが可能。
看取りの時、つまり死ぬまでずっと過ごすことができるということです。
これを聞くと意外に思う方もいらっしゃるかもしれません。
実は施設・老人ホームなどと呼ばれるものの中には、数か月単位で出なくてはいけないものや、介護がたくさん必要になると退所を迫られるものがあるのです。
最期まで入ることができる終(つい)の棲家(すみか)として、特養を選ばれる人も少なくないのです。
2.他施設に比べて値段が安い
特養は、他の施設(有料老人ホームなど)に比べて比較的リーズナブルです。
なぜなら、特別養護老人ホームは、国、地方公共団体、社会福祉法人が運営する公的な施設だからです。
たとえば、敷金・礼金のように入所する時に大きなお金がかかることもありませんし、月々の支払いも介護費用も含んだ月額費用が設定されています。
本人の収入や要介護度の違い、個室か相部屋かでも料金は変わってきますが、月額7~15万程度で生活できるところが多いように思います。
場所によっては待機人数の少ないところもあります。
特別養護老人ホームは、都会であれば300人以上待っていることも珍しくありません。
しかし実は、地方であれば100人以内など、比較的入り易い施設もあります。
お住まいのエリアによっては意外に早く入れる場合もあるので、入所を希望される場合はまず問い合わせてみて下さい。
ただし、忘れないでいただきたいのは、入所後も介護は続くということです。
そのため、ご家族が通えるエリアの施設を選ぶことが大切です。
※特別養護老人ホームの入所基準についての記事はこちら。
→特別養護老人ホームの入所基準は何なのか?