身元不明で保護された認知症高齢者の情報提供サイトがオープンしました。
認知症による徘徊などが原因で行方不明になった人の数が年間1万人を超えているのをご存知ですか?厚生労働省は2014年8月5日、厚生労働省のホームページに、”行方のわからない認知症高齢者等をお探しの方へ”というページを新設しました。

増え続ける認知症による行方不明の高齢者
警視庁は、2013年全国の行方不明者のうち、認知症が原因とされている行方不明者は1万322人に上ったと発表しました。
2012年の9,607人を超え、ついに1年間で1万人もの行方不明者が出たとして、NHKを始め各テレビ局などがこぞって特集を組みました。それを目にした方も多いと思います。
1万人と言うと、幕張メッセのイベントホールのキャパシティがちょうど9,000人ですから、ホール一杯分よりまだ多い人が行方不明として一度は届けられているということです。
かなりの人数の高齢者が毎年行方不明になっているのがわかります。
行方不明になった1万人のうち、無事に帰宅できているのは?
1万人を超えたという数字が大きく取り沙汰されていますが、実際に行方不明になった方のその後はどうなっているのでしょうか?
警視庁の発表では、無事に保護された人が約94%と多くを占めています。
しかし、残念ながらご遺体で発見された人が約4%、また、行方不明のまま見つかっていない方も2%余りいらっしゃいます。
つまり、2013年では619人の方が、亡くなられたか未だに行方不明のままなのです。
そして実は、逆に、認知症や記憶喪失で自分の名前や住所などを伝えることができず、警察によって保護されたものの身元不明のまま暮らしている方も実はたくさんいらっしゃるのです。
ホームページで身元の分からない方を公開
厚生労働省では、増え続ける行方不明の認知症高齢者への対策として、厚生労働省のホームページ内に、「行方のわからない認知症高齢者等をお探しの方へ」というページを新設しました。
ここでは、保護されたものの本人が名前や住所を言うことができず、身分を証明するものも持っていない為、身元を特定することができないでいる方の情報を公開しています。
公開されているのは、都道府県によってまちまちですが、およそ以下のような内容です。
- 性別
- 推定年齢
- 保護された場所
- 保護された時の持ち物・服装
- 現在の状況
- 身体的特徴
実際の情報を見ると、顔写真が載っているケースもあります。
現在はまだ対応エリアは少なく、千葉県と静岡県だけが情報を公開していますが、今後このエリアは増えていくのではないかと考えられます。
独居の方は特に気を付けて!
行方不明になってしまう高齢者の中には、やはり独居(一人暮らし)の方が多いようです。ご家族と一緒に住んでいる場合はその日のうちにいなくなったことがわかります。
しかし、独居で遠くにご家族がいる場合や、ご家族がいらっしゃらない場合にはどうしても発見が遅れてしまい、捜索も難航するようです。
捜索願いを出していても、身元不明の方との照会が上手く機能せず、2年ぶりに家族と再会を果たしたケースもあります。(NHK:保護されても身元分からず・認知症行方不明者)
身元不明の方の情報がうまくつながることで、一人でも多くご家族と再会できる人がいればと思います。