耳が遠くなってきたおじいちゃん・おばあちゃんに話しかけることをやめないで。
おじいちゃん・おばあちゃん、あるいはお父さん・お母さんが、年をとって急に耳が悪くなってきたなと思うことがあります。何度も聞き返したり、話しかけているのに気が付かなかったり。そんな時でも、周りの家族は出来る限り意識して話しかけるようにサポートしましょう。

耳が遠くなるのは誰にでも訪れる身体の衰え(老化)です。
年をとって、身体が疲れやすくなった、肌にシミやシワができるようになった、老眼になった、長時間歩くと足が痛くなるようになった・・・。
ある程度年齢がいくと、個人差はあっても誰もが何らかの身体の衰えを感じるのではないでしょうか?
耳が遠くなる・聞こえにくくなるのもこうした身体の衰えのひとつ。
年齢を重ねるにつれ、長年使い続けた耳の機能が少しずつ落ちてくるのは、ごく当たり前のことです。
聞こえないことに周りがつい、イライラしてしまう。
とはいえ、耳が遠くなると人との会話がしづらくなり、生活に支障が出やすいのも事実。
特に、長時間一緒にいる家族にとっては、不便極まりないと感じることもあるでしょう。
会話の途中で何度も聞き返されたり、呼びかけても返事をしない時にはついイライラして、つい以下のような態度をとってしまいがちです。
- 「さっきも言ったでしょう?」と強調する
- 会話の途中で「聞こえてるの?」と問い詰める。
- 何度も聞き返されて「もういい。」と途中で会話をやめてしまう。
- どうせ聞こえていないと思い、本人のいる前で悪口や不満を漏らす。
- 面倒くさそうに「だから~」と言う。
- 本人を外して他の家族だけで会話をする。
- きつい口調・怒ったような喋り方になる。
- そもそも話しかけない。
会話がスムーズにいかないと、人はイライラして、このような態度に出てしまうかもしれません。
耳が聞こえないことから、うつ病や認知症の発症も。
しかし、ちょっと考えてみてください。
家族のこうした対応によって、本人であるおじいちゃん・おばあちゃんはどうなってしまうでしょうか?
- 怒られるのが嫌だから、聞こえたふりをしてその場をやり過ごそう。
- 何度も聞き返すと申し訳ないから、自分から話しかけないようにしよう。
- 家族と会って話しかけられるのが怖いから、目を合わさないようにしよう。
- リビングに行っても他の家族だけで話をしているから、自分の部屋に閉じこもろう。
このように考え、話をしなくなったり部屋からあまり出て来なくなってしまうかもしれません。その結果、例えば生活の意欲が失われたり、うつ病や認知症などの病気を発症してしまうかもしれません。
耳が聞こえなくなってきた時は家族でサポートを。
会話が聞こえにくい人は、家族の中で疎外感を感じてしまいます。
高齢になった家族に疎外感を味わせないよう、まわりの家族でしっかりサポートしてあげてください。
個人差は大きいですが、補聴器を使うことでかなり聴力補われることもあります。
また、中耳炎などの病気が原因であることもありますから、急に聴力が落ちたと感じる時はまず耳鼻科を受診してみることもおすすめします。
老化が原因で、補聴器も合わない場合には、例えば以下のような点に注意しながら話しかけるだけで、コミュニケーションがとりやすくなるので試してみてください。
- 話し出す前に「おじいちゃん」「ねえねえ」などと声をかけて注意をこちらに向ける。
- 口を大きく開けてはっきりと話す。
- 早口で喋らず、ゆっくり丁寧に話す。
- 聞き返された時、同じ言葉をそのまま返すのではなく、別の言葉に言いかえる。
- できるだけ主語や目的語などを省かない。(何食べる?→朝ごはんに何を食べる?)
- 少し高い声で話しかける。
- 近くまで行って声をかける。
- ジェスチャーを交えながら話す。
また、耳が遠くなった人に対して、家族全員が理解して協力することが大切です。
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