介護イラストレーター群青亜鉛 の「自宅で介護お助けヒント集」 第16回(現在、全22回)
手指を保護するクッション アレンジ編
昨年の記事、にぎっ♪と握れる手作りの「手指を保護するクッション」が1年を経た今でも大好評。ここでは進化型、手首留め付きをご紹介!
- 投稿日時
- 2014年5月21日
- カテゴリ
- 介護に役立つ記事

手のひらの握り込みが強く、爪で皮膚を傷つけてしまう方。皮膚が乾かずジュクジュクで水虫のようになってしまったり、臭い匂いがしたり。そんな手のひらの拘縮がきつい方にお勧めする、軍手で出来る手作りクッションです。
第4回で基本の形をご紹介しました。手指を保護するクッション編もご覧ください。
今回はこの基本形に、手首留めをつけたアレンジです。
体が緩むといらなくなる。相乗効果。
祖母は103歳。手のひらの拘縮が酷く、このクッションをはめていましたが、もう必要ない位ユルユルになりました。
この握りクッションは100歳前から着用し、同時に車椅子の座り姿勢を整える事も積極的に行っていましたが握り込みはきついままでした。約10ヶ月前(102歳と半年)から 寝る姿勢を整えること(参考:寝る姿勢を整える編)も始めたところ、相乗効果でしょうか。拘縮していた手のひらがいつのまにか緩んでいたという訳なのです。
誰が見てもわかり、装着し易い形が大事なのね
ご紹介しましたのは、きつく握り締めた時、緩んだ時、どちらでも使える手首留付き型。手首留めは、古い靴下の輪っかのあたりを7センチぐらいに切ったものを使用、基本型に縫い付けます。
この1年間バリエーションを10種類ほど作り、職員さんを介して祖母に試してもらいましたが、この古い靴下を手首留めにしたものが1番手軽で最優秀!他、相方の軍手を手首留めとして縫い付け、マジックテープで着脱する型なども作りましたが、格好良くても装着方法が分りにくいものはタンスの隅に追いやられてしまうのです。
中にパンヤ(化繊綿)を入れなくても充分使えますが、入れた方が扱いやすく、タンスの中でも目立ちます。手芸用のビーズでもいいです。
パンヤは入れすぎると指の変形が出てくることもありますので、少ないかなと思う位でOK。
爪の手入れが大事なんだけど
もうクッションは外したいところですが、爪がとても長く、皮膚に刺さる心配があって外せません。じゃ、爪を切れば済むことちゃうん?
爪にくっついている肉が、爪と一緒に伸びているので、指先爪先がとっても長く尖っているのです。皮膚との境目が曖昧なので、切ろうにもうまく切れず、上手くヤスリがかけられないコトも多いのです。皮膚保護のため装着しています。
無理やり指を開いちゃイヤよ
いつのまにか祖母の指が反ってしまいました。 第一関節が手のひら側に曲がるのではなく、逆向きに反ってしまっています。 無理に指を剥がすように広げることもあったりで、指が不自然に反ってしまったのだと想像します。
指を伸ばす時は、本人の腕も手首もしっかり曲げて、筋が緩んでからゆっくりゆっくり伸ばさないといけません~。手のひらを洗うときも同じです。親指の付け根から親指、人差し指、中指、薬指、小指という風に、順番に広げるのがいいそうです。
日常生活での姿勢を見直すのが大事
このクッションはあくまでも応急手当。拘縮の予防や、緩和の効果がありそう!と期待されますが、根本の解決にはならないと感じます。
日常生活での姿勢を見直し、どうしたら本人がリラックス出来るのかを追及するのが一番の解決策に思えます。
でも、今困ってんだ!今どうにかしたいのだ!という方に向けての手作り介護グッズです。どうぞ、お試しあれ♪