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認知症になった家族に怒ってイライラしてしまう方へ

認知症の家族と暮らしていて、ついイライラして怒ってしまう、大きな声を出してしまうという方。ご家族にも自分自身にもやさしい介護を始めませんか?

投稿日時
2014年9月22日
カテゴリ
介護に役立つ記事
タグ
認知症に怒る
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わかってはいるけれど、つい怒ってしまう。

「認知症の人を怒っても仕方ない、家族がイライラすることで家の中の雰囲気がどんどん悪くなってしまう。
それは分かっているけれど、5分おきに同じことを聞かれたり、家族の顔を忘れたり、自分の家にいるのに「帰りたい。」と言ったりされると、やっぱりイライラしてしまう。」

「家に来るヘルパーさんやデイサービスのスタッフさんはいつでも笑顔でニコニコ対応しているのに、家族である自分自身が本人にイライラをぶつけてしまって、どうすれば良いか分からない。」

そう言って悩まれる方は沢山いらっしゃいます。
認知症の方と一緒に暮らしながら介護をするってすごく大変なことです。

怒られることで認知症は悪化することがあります。

まず知っておいていただきたいのは、認知症は怒られたりイライラした雰囲気の中にいたりすることで、症状が悪化してしまうということです。

認知症の方は、色々なことが「よく分かっていない人」だと思われがちですが、そんなことはありません。
その場の雰囲気や空気を実にハッキリと察していらっしゃいます。
常に不安を抱えている分、人一倍敏感になっているのかもしれません。

認知症の主な症状は、忘れてしまうことと、判断力が落ちてしまうことです。

しかし、そこに不安や動揺・恐怖などが重なると、興奮したり暴力をふるったり、徘徊をしたりというプラスαの症状が表れやすくなります。

忘れてしまうのは症状。”分からせなくては”と思わないで。

認知症の方と一緒にいると、家族はつい、”昔のお父さんお母さんに戻って貰いたい”という気持ちが強くなって、忘れていることを注意してしまいます。

「さっきから何回も同じことを言ってるでしょう。」
「どうして私のことが分からないの?」
「何で忘れるんだ!」

と、つい本人に分かって貰おうとしてしまうのです。
ですが、注意することで認知症が悪化することはあっても改善することはありません。
それよりも、「忘れても大丈夫。」「間違ったことを言っても心配しないで。」と、忘れてしまうことを丸ごと受け止めてあげてください。

介護を頑張る自分自身にもやさしくしてあげましょう。

介護を頑張っていらっしゃる方の中には、自分自身に厳しすぎる評価を下している方がいらっしゃいます。
そんな方は、「ヘルパーさんは優しいのに、どうして自分は優しく出来ないんだろう。」と思って悩んでしまいますが、その必要はありません。

なぜなら、身近な家族に優しくするのが一番難しいからです。
しかも、仕事としてではなく、プライベートの時間を割いて介護をしているのですから、プロのようにいつでもニコニコしているわけにはいきません。

ヘルパーさん以上に難しいことを、毎日頑張っているのですから、「よくやってるなあ、頑張ってるなあ。」と自分自身を認めてほめてあげてください。
そして、認知症の方にそうするように、自分自身も「失敗しても大丈夫」「出来なくっても心配しなくていいんだ」と許してあげてください。

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投稿者
山本 由美子
投稿日時
2014年9月22日
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