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高齢者に多い生活不活発病とはどんな病気?

生活不活発病とは、生活が不活発になることが原因で、身体の機能が衰えてしまう病気です。かつて廃用症候群とも呼ばれていました。高齢者に多い生活不活発病についてのページです。

投稿日時
2014年7月4日
カテゴリ
介護に役立つ記事
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生活不活発病
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生活不活発病とは?

生活不活発病とは、生活が不活発な状態が続くことによって、心身の機能が衰えてしまう病気です。
例えば、身体を動かさずに寝ていることで、身体が動かなくなったり、気分も重くなってしまうことがあるでしょう。
このように、生活が不活発なことで、身体の機能が低下して動けなくなり、更に不活発な状態が続く悪循環に陥ってしまうのが生活不活発病の怖いところです。
高齢者は若いころに比べて身体が動きにくく、生活不活発病のリスクも高くなります。

生活不活発病になるとどうなるの?

あまり身体を動かさずにいることで、例えば以下のような症状が出てきます。

  • 心肺機能(酸素を取り込み、体中に送る機能)が低下して、すぐに息切れする。
  • 急に身体を起こしたときに低血圧になり立ちくらみ等を起こす。(起立性低血圧)
  • 消化機能が落ち、食欲がなくなる、便秘になる。
  • 関節がこわばる、手足の曲げ伸ばしがしづらくなる。
  • 褥瘡(床ずれ)ができる。
  • うつ状態になる。
  • 筋力が落ち、運動機能が低下し、動きにくくなる。
  • 認知症が悪化してしまう。

生活不活発病の原因は?

生活不活発病になる原因は様々です。
以下に、生活不活発病になる原因を挙げてみました。
本人の気持ちが原因になる場合と周囲の人や環境が原因になる場合があります。

本人の気持ちが原因になる場合

  • 年寄りが外に出ると迷惑をかける・恥ずかしいと思い込んでいる。
  • 年だから病気だから足が痛いからと諦めている。
  • 震災や家族の不幸などの後に、娯楽をするのが謹慎だと思ってしまう。

周りの人や環境が原因になる場合

  • 段差・階段などが行く手を阻んで、行きたいところに行けない。
  • 外で会う友人や知人がいなくなってしまった。
  • 家族に「危ないから外に出るな」と止められている。
  • 周りの人が自分の代わりに何でもやってくれる。

生活不活発病は予防できる病気です。

生活不活発病は、上記のような原因から知らず知らずのうちに生活が不活発になり、心身の機能が低下してしまいます。高齢者の場合は、一度動かなくなってしまった身体を元に戻すのは時間がかかります。

そのため、まず生活不活発病にならないことが大切です。
動きにくい方はどうすれば今より少し動けるのかを考えたり、ご本人が動きたくなる声かけやお誘いをしてみましょう。

病気や怪我のために安静が必要な方であっても、とにかく安静にし続けるだけではなく、「どれ位なら動いても良いか」を医師と相談することも可能です。

ただし、無理に動き過ぎてかえって疲れてしまい、動くのが嫌になってしまうこともあります。運動量や本人の状態を確認しながら少しずつ生活を活発にしていきましょう。

投稿者
山本 由美子
投稿日時
2014年7月4日
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介護に役立つ記事
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