介護が始まる前に知っておきたい、家族の介護にかかる費用。
家族を自宅で介護するときに、どこにどのくらいお金がかかるのでしょうか?家族の介護が始まる前に知っておきたい、家族の介護にかかるお金についてまとめました。

家族を自宅で介護する時にかかるお金の内訳は?
自宅で介護をする時、かかる費用の内訳を以下に挙げてみました。(家賃・食費などの生活費は除く)
- 介護サービス費
- 医療費
- 雑費
- 交通費
- その他
それぞれの費用について、1つひとつ見ていきましょう。
1.介護サービス費
介護サービス費は、介護保険を使ったサービスを受けるためのお金です。介護保険を使うことで、1割か2割の自己負担で受けることができます。
(参考記事 介護保険の自己負担額引き上げ!2015年8月から適応)
「自分で家族を介護するので、介護サービスは受けなくてもいい」と思う方もいますが、実際に介護が必要になると、家族では支えきれない部分もたくさん出てきます。
上手に介護サービスを利用することが、長く介護を続けるコツでもあります。
介護保険適応内でサービスを利用した場合、1か月の介護サービスにかかる費用の上限は、1割負担で35,830円、2割負担で71,660円です。
ただし、上記の価格はあくまでも限度額ですので、使う介護サービスが少なければもっと少ない額になります。
2.医療費
75歳以上の方および65~74歳の方で一定の障害がある方は、医療費負担は1割です。(現役並み所得の方を除く)
ですが、高齢になると病気や体調不良が増え、また転倒などの危険も多く、医療機関を受診する機会が増えます。
1割負担とはいえ、若い時とは病院に行く頻度や薬の量が違うということを念頭において、医療費という名目で毎月出金があることを覚悟しておいてください。
3.交通費
家族が介護をする時にかかってきやすいお金として、交通費が挙げられます。
高齢になると、出かけるときに公共交通機関を使うことが難しくなり、タクシーを利用する頻度が高くなります。
これまで自分で運転していた人が運転できなくなった場合にも交通費が一気にかさみます。
また、同じ家に住む家族が車を所有している場合は安価ですみますが、家族の家が離れている場合は、そこに通うための交通費が必要になります。介護をする時に、この交通費には意外とお金がかかります。
4.その他の費用
このほかにも色々な項目で費用がかさみます。
たとえば、高齢になるとトイレが近くなり、尿漏れをすることが少なくありません。その場合、尿漏れ防止用の下着を使ったり、パットやおむつが必要になる場合もあります。
寝たきりになり、自分でトイレに行けなくなった場合、おむつ代だけでも毎月1万円以上かかることも珍しくありません。
また、高齢になると光熱費もかさみます。体温の調節が難しくなり、部屋の温度をある程度一定に保つ必要があるので、冷暖房の費用がかかります。
また、高齢者だけの世帯の場合、食べる量は多くなくても自炊が難しくなる場合があり、食費もかさみます。同居の場合であっても家族と同じ食事を摂れなくなったり、好みが違うので別の献立を用意するという場合も少なくありません。
このように、親の介護が必要になると、介護サービス費用だけではない色々なお金がかかってくるようになります。介護の費用として、介護サービス費の最高で月額35,830円という数字をよく耳にしますが、それ以外にかかってくるお金がたくさんあるのだということを知って、介護に備えていただきたいと思います。