認知症で時計が読めなくなった時の対処法
認知症になったおじいちゃんおばあちゃんが、時計が読めなくなるというのは比較的よくあることです。時計の文字盤が読めなくなった時に、家族としてどういう対応を取るべきでしょうか?
- 投稿日時
- 2015年8月25日
- カテゴリ
- 介護に役立つ記事

どうやら時計が読めていない様子。そんな時どうする?
「時計があるにも関わらず、「今何時?」とよく聞かれます。
どうやら時計が読めなくなったようです。
もう一度時計の読み方を教えて、読む練習をした方がよいのでしょうか?」
そんな風におっしゃるご家族さんがいらっしゃいました。
この間まで、時計を見て時間を言うことができたのに、と思うとご家族としては辛いですね。認知症になると、少しずつ出来ない事が増えていってしまいます。
時計を読む練習は禁物。読めなくても良いのです。
「もう一度時計を読めるようになってほしい。」
「このまま放っておいたら、どんどん認知症が悪化してしまうのでは?」
そう思って、認知症の方に時計を読む練習をした方が良いと思う方も少なくありません。
ですが、時計が読めなくなったからと言って、練習をすることは良いこととは言えません。
なぜなら、時計を読む練習や訓練によって、認知症の進行を遅らせることはできないからです。
それどころか、「時計を読むことすらできなくなってしまった」という事実を、認知症である本人につきつけて、ご本人のプライドを傷つけてしまうことになりかねません。
自分はこんなことすらできなくなったのか、、、と辛い思いをすることで認知症を悪化させかねませんし、また家族に対して怒りを覚えて攻撃的になる可能性もあります。
読めなくなった事実を受け入れて、時間がわかる工夫を。
時計が読めなくなったからといって、認知症がひどく悪化してしまったとは限りません。
なぜなら、同じ認知症であっても、人によってできること、できないことは違うからです。
時計は読めるけれど、家族の顔がわからないという人もいらっしゃいますし、その逆もいらっしゃいます。
時計が読めなくなったことだけで、ひどく落ち込む必要はないのです。
それよりも、時間がわからないことで本人が余計な心配やストレスを抱えなくても良いように、時間がわかる工夫をすることが大切です。
光るデジタル時計や音声で知らせてくれる物を選ぶ。
例えば、文字盤でなく、デジタルの数字であればわかるという方は比較的多くいらっしゃいます。その場合、文字盤からデジタル時計に替えることをおすすめします。
この時、できるだけ数字が大きく表示されるものを選んでください。
また、特に夜中に目が覚めて時間が分からないと不安になる方も少なくないので、下記のように、デジタル時計の中でも夜に光って見えるものだと安心です。
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他にも、ボタンを押せば「午前〇時〇分です」と読み上げてくれるこのような時計も良いかもしれません。ただし、この場合はボタンを押すという行為を覚えることができる方に限ります。
「時間を知りたい時はこのボタンを押してください」と大きく目につくところに貼っておくことで効果が得られる場合もあります。
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上記のような時計を使って、まずはご本人を安心させてあげることが一番大事になってきます。
また、時計が読めなくなったのではなく、白内障などの目の病気や視力の問題で時計が見えないだけということもありますので、その点もよく確認してみてくださいね。
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