親の年金を引きだして使ってしまうことは、経済的虐待です。
親の年金を子供が勝手に引き出してしまい、介護サービス費の支払いが滞ってしまうケースが稀にあります。例え親子であっても、本人のお金を意思に反して使ってしまうことは経済的虐待にあたります。

経済的虐待とは?
高齢者への虐待には大きく分けて5つの種類があります。
虐待の種類は以下の通りです。
- 身体的虐待(殴る・蹴る・つねるなど)
- 介護・世話の放棄(介護をしない、食事を与えないなど)
- 心理的虐待(脅す・侮辱する・無視するなど)
- 性的虐待(性的な行為の強要など)
- 経済的虐待(金銭を渡さないなど)
例えば、本人の意思に反して年金を引きだして使ったり、本人が必要としているのにお金を渡さないことは、経済的虐待にあたります。
経済的虐待の具体的な例は?
経済的虐待の具体的な例にはどんなものが挙げられるでしょうか?
例えば以下のような時は経済的虐待に当てはまります。
- 預貯金を勝手におろして使う
- 日常生活に必要なお金を渡さない・使わせない
- 特別養護老人ホームに入所した親名義の家を勝手に売る
- 親の年金を担保にお金を借りる
- 親に貸したお金を本人の許可なく勝手に預貯金から引出して返してもらう
- 無断で親の名義で借金をする
認知症が進む前に、成年後見制度を使うことが大切。
しかし、例えば親が認知症になってしまって金銭管理ができないので、息子や娘が金銭を管理せざるを得ない時はどうでしょうか?
そんな時は、自己判断で勝手にお金を預からず、「成年後見制度」という制度を使うことをお勧めします。
「成年後見制度」とは認知症などで金銭管理や契約などができなくなった時に、本人に代わってお金を管理したり契約をしたりできる成年後見人を決められる制度です。
親のために通帳を預かったりお金の管理をしていた場合は、金銭的虐待とはならないと思いますが、後で兄弟間で揉め事に発展する場合もあります。
ですので、万一のことを考えて出来る限り制度を使うことをお勧めします。