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虐待の原因1位は介護疲れ・介護ストレス。高齢者虐待の実態とは?

介護が原因で起こる高齢者虐待について、どんな人が何が原因で虐待してしまうのかを調べました。

投稿日時
2015年3月9日
カテゴリ
介護に役立つ記事
タグ
介護疲れ
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高齢者虐待の多くは、実は家庭で起こっている。

テレビのニュースなどで時々、介護施設での高齢者虐待が取り上げられています。
高齢者虐待というと、他人である介護職員からの虐待が多いのでは?
と思う人もいるかもしれませんが、実は逆で、多くの虐待は家庭内で起こっているのです。

厚生労働省の発表によると、施設での虐待事例が221件にたいし、養護者、つまり家族・親族・同居人による虐待事例は15,731件。
施設での虐待の70倍もの虐待が、家庭で行われているということです。

(※「平成25年度 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」より)

家庭内での高齢者虐待で一番多いのは息子からの虐待。

虐待者と被虐待者の関係で一番多いのは、息子からの虐待で41%を占めます。
続いて、夫が19.2%、娘が16.2%です。
それに対して、息子の嫁は5.7%と確立が低くなります。

血の繋がった親子や夫婦など、最も近しい存在の人が虐待してしまうケースが多いようです。

虐待の原因1位は「介護疲れ・介護ストレス」

養護者による虐待は一体何が原因なのでしょうか?
原因の1位はやはり介護疲れ・介護ストレス。その後は以下のように続きます。

1位 虐待者の介護疲れ・介護ストレス (25.5%)
2位 虐待者の障害・疾病 (22.2%)
3位 家庭における経済的困窮(経済的問題)(16.8%)
4位 被虐待高齢者の認知症の症状 (13.9%)
5位 家庭における被虐待者と虐待者の虐待発生までの人間関係 (11.5%)

2位にあがっている、虐待者の障害・疾病は、元々持っている障害・疾病もあるでしょうが、介護が原因でうつ病になり、冷静な判断ができないといった事例も含まれているのだと推測されます。

育児でもノイローゼになる人が少なくありませんが、育児に比べて期間が定まらず先が見えない介護は、更に心身を病むことがあり、それが原因で虐待につながる可能性も十分にあり得ます。

自分も虐待をしてしまうかもしれないという危機感をもって。

上記に挙げた虐待の原因はいずれも、いつ誰が陥ってもおかしくないものが殆どです。

逆に、虐待者の性格や人格(9.2%)や、虐待者の飲酒の影響(6.3%)など虐待する側にもともとの要因があるケースは、意外にも10%を切っています。

ここからも、「まさか自分が」と思う人でも、いざその立場になると虐待をしてしまう可能性があることがわかります。

そうならないためにも、1人だけで介護を抱え込んでしまわない・介護の相談をできる人や場所を確保しておく・プロの力も借りて、休息を取りながら長い目で介護を続けるといった方法をおすすめします。

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投稿者
山本 由美子
投稿日時
2015年3月9日
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