特別養護老人ホームの入所基準は何なのか?
特別養護老人ホームは何百人も待っているから、申込みをしても無駄では? そう思う方もいるでしょうが、実は特養の入所先着順ではないのです。一体何が入所基準になっているのでしょうか?

特養への入所は先着順ではありません!
老人ホームは数百人待ちって本当?の記事の中で特別養護老人ホームは待機人数がとても多いというお話を書きました。
数百人も待っているのであれば、申込みをするだけ無駄ではないか?そう思った方もいらっしゃると思います。
しかし、実は特養は申し込んだ順番で入所が決まるわけではなく、入所基準が定められているのです!
一番に考慮されるのは「今すぐ入所する必要があるか」です。
公的な施設である特養は、一番困っている方から先に入できるシステムを取っています。
特養の入所に関して、一番に考慮されるのは「今すぐ入所する必要があるか」つまり、緊急性の高さです。
しかし、困っているといってもその方の心の中を見ることはできないので、具体的には以下のような項目について審議され、順番が決定します。
- ご本人の要介護度(どの程度介護が必要か)
- 認知症であればどんな症状が出ているか
- 介護を出来る家族がいるか
- 家族が仕事や育児をしているかどうか
- 家族の年齢や病気を患っているかどうか
- 住む家があるかどうか
- 病院や施設から退所を求められているか
例えばご家族と暮らしている方より、一人暮らしの方の方が入所しやすいかもしれません。
また、同居であっても老々介護だったり、介護者も病気を患っていたりする場合などは優先されることもあるでしょう。
入所の順番は誰が決めるの?
特養は、それぞれに「入所検討委員会」という入所の順番を検討する会を設定しています。
入所検討委員会のメンバーは、地域差はあるものの、施設長・ケアマネジャー・生活相談員・介護・看護職員の他、中立性が保てる第三者を加えたメンバーであることが多いです。
この入所検討委員会が、入所申込書や、申込み後の調査結果をもとに順番を決めるのです。
ギリギリの状態であればしっかり声を上げる事が大切。
前述したとおり、様々な面から出来るだけ公平に順番を決めていきますが、それでも中には大変な状況のまま5年以上待ち続けている・・・という方もいらっしゃいます。
そういう事にならない為、知って頂きたい事は「大変な状況であることをしっかりアピールする。」ということです。
数百人の待機人数の中にも、要介護度や状況が似通っているケースは沢山あります。
そんな時は、やはり「今ギリギリの状態なんです。」とアピールしておられるご家族を優先することになります。
ですから、
- 申込書にはできるだけ詳細な内容を記載する
- 申込み後に状況調査の機会があれば、我慢せずに現状を伝える
- 介護度などが変わった時もしっかり報告をする
ことが大切です。
実際、特別養護老人ホームの職員の方にお話を聞いても「頑張っておられる方ほど我慢をしてしまう傾向にあるので、しっかり声をあげて欲しい」と仰います。
長い介護をしっかり続けていくために時には、必要なことを「必要です。」と伝える勇気を持つことも大切なのです。