介護イラストレーター群青亜鉛 の「自宅で介護お助けヒント集」 第2回(現在、全22回)
移動・移乗編

ベッド上で、下へのずり落ちが多い人や横になった人を枕の方に移動してもらうのは結構大変。介助者が無理矢理引っぱり上げると腰を痛めてしまいます。
もう御存じの方も多いと思いますが、そんな時は家庭で日常使う大きなポリエチレンのゴミ袋を体の下に敷くといいです。ご自身で動けない方でも、滑るので、移動がラクチン!介助しやすくなります。
足に踏ん張る力の残っている方は、踏ん張り箱がお薦めです。
段ボール箱にベニヤ板をガムテープで貼付けただけの代物。縦長に作ったので、床に置いていても、腰を屈めず片手で軽々扱えます。
これで足を突っ張って、枕元までグーンと伸びます。祖母を在宅で介護している時に大活躍しました。持っている能力を存分に使ってもらえ、リハビリにもなります。
さて、ここで、注意して頂きたいことをチラリと。イラストをご覧下さい。ベッドの両脇には2種類の柵が取り付けられているのがわかりますでしょうか。
壁側についている格子状になっている柵は、ベッド柵あるいはサイドレールと呼ばれるものです。
「何でこんなに細いのかしら? しっかり持てないじゃない?」と日頃疑問に思っていらっしゃった方、正解です。これはあくまでも寝具や人が床に落ちない様にする為のものです。
このベッド柵は、体重をかけ支えにする様には作られていませんのでご注意下さい。差し込み式の場合、柵が介護ベッドの穴フレームからすっぽ抜けることもあります。
ベッドから立って車椅子やポータブルトイレなどに移動する方には是非、移動用バー(別名:ベッド用手すり、グリップ、介助バー等)をお使いください。イラスト手前に描いているL字型の手すりです。こちらは強度も高く、しっかりと握ること、体を支えることを前提に作られていており安心です。介助者ももたれかかることが出来るので有り難いのです。
体の動きに不自由さのある方は、立ち上がる時や座る時等掴まる箇所にはもの凄い力がかかります。事故を防ぐ為にも、是非移動用バーをお使い下さい。
移動用バーには、その他ベッドフレームに取り付けるタイプや、床置き式のタイプ、より大型のものもあります。興味を持たれた方は、福祉用具の事業者さんやケアマネさんに1度訊ねてみて下さいませ。
介護用ベッドを使用されている方は、是非以下をご参照下さいませ。注意!! 介護ベッド用手すり(サイドレールなど)による死亡・重大事故が発生しています。
◇消費者庁ホームページ
消費者安全課
http://www.caa.go.jp/safety/care-bed.html・チラシ「あなたの注意で事故は未然に防げます。チェックリストで確認を!!」
http://www.caa.go.jp/safety/pdf/121101kouhyou_2.pdf