介護イラストレーター群青亜鉛 の「自宅で介護お助けヒント集」 第9回(現在、全22回)
衣類の補修編

好き嫌いが大きく分かれる縫い仕事
ボタンが取れた、ホックが取れた、裾がほつれた、穴が開いた等。体に不自由さを抱えている方の衣服には、着脱時に過度の負担がかかっていることが多く、どこぞにスグほころびが出て参ります。
慣れている方にとっては、チョチョイのチョイで済むその補修~つくろいもの、針と糸を使ってのお裁縫は、苦手な方にとっては気の重~いイヤイヤ取りかかるシゴトではないかと思うのです。
周りに得意な方がいらっしゃる場合はどんどん外注なさって更に”お願い力 ” を磨かれるのも一つですが、苦手な人はどうすりゃいいんでしょう?
使い勝手のいいグッズを手元に
さて21年前。脳梗塞の後遺症で介護が必要となった祖母のお針箱を見て驚きました。 今までに見た事も無い長~い針が、針山にがしがしと刺さっていたんですね~。8センチはあるデッカぃ針です。先が曲がっているのもありました。布団を仕立てるのに使っていたものだろうとのことでしたが、初お目見えのこの針に、素直に驚いて年月を重ねました。
今ではそんな針の方が持ちやすいし使い易いわ~♪と、ばあこのお古の引き出し付きお針箱をワガモノ顔で使う孫のワタクシです、おほほのホ。
そう、長い針を使うのもひとつです。
さて、針が長くったって、糸通しがめんどうだと思いがちなのですが 近頃便利な針が発売されていますこんなのステキ。(イラスト左下参照)。スーパーでも普通に売っています。プツっと糸が通った時には感動!!
修理をすると、着こごちが良くなります
今回は見た目はさておき、まず行動!実用的な修理方法です。
こんなに修理するのは、異次元?この今の時代に?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。でも買ってばかりじゃ財政難、お財布ひっ迫です。ジブンでやりましょ、なおしましょ。出来ん事もなかろ~っ。
祖母の中心介護者である母が、特別養護老人ホーム入所中の祖母の下着をちゃちゃっと修理しているのをいつも見ていて、特別なものでも無いわねと思いまして。
施設に入居されている場合、乾燥機での乾かしが必然ですから衣類はぐんぐん縮んで傷みます。が、綿100%のメリヤス生地は、古くてもなぜか肌触りがようございます。それを当て布として補修すると、いい具合に伸びてくれ、着心地がいい感じになります。
パッチの修理を例に挙げ
パジャマのズボンも、ステテコも、パッチも、おパンツ様(下着)も、どこがボロボロになるかといいますと。
履き込み口や、おしりの仙骨部分。ひっぱりますからね、介助時にどうしても~。引っ張るのは良くない、皮膚にも本人にも、と言われますが引っ張ってしまいます。
プツッ!(糸切れ)ビリっ!(破ける)しまった!ということは、祖母の衣服着脱をしていると結構あります。(どんだけ雑?)
縫い目も雑でいいですやん、ルックス(見た目)は二の次です。最低限穴が広がらない様に、肌を痛めない様に。
前向きな気持ちの時に
「みすぼらしいからワタシは嫌っ♪」と感じられる方は無理になさらないのがいいように思えます。
やってみよ♪と前向きに思われた方や、気持ち前向きな時にお試し下されば。
おそらく殆どの方が、さりげなく丁寧に繕われていることと思いますが、本日は、本当の初心者の方に向けての背中押しです。細―く長―く続けられるのが一番ですから~。
衣服修理ボランティアというのもある
裁縫が得意とおっしゃる方は、大変貴重な存在です。高齢者施設では、衣類の補修が出来る方はひっぱりだこです。
「介護卒業生なの♪」あるいは、「介護中だけど何か社会のお役に立ちたいワ♪」「ボランティアをしてみたいワ♪」とおっしゃる方は、1度ご縁のある施設やご近所の施設に声を掛けてみられてはいかがでしょうか?