介護イラストレーター群青亜鉛 の「自宅で介護お助けヒント集」 第4回(現在、全22回)
手指を保護するクッション編

拘縮した手指を保護するクッション
手指への拘縮(こうしゅく)緩和・予防・保護を目的としたクッションは、数多くの介護福祉用品会社から販売されています。市販の製品は生地や形状などへの工夫が随所に見られ、初めて扱う方でもわかりやすい作りになっていると感じます。
本日は、市販品の様に高性能ではありませんが、御家庭でも簡単に手縫いで作れる手指を保護するクッションをご紹介。
お悩みから工夫が生まれ、広がるアイデア
“うちのジさまバさま、指の握り込みが強くって、麻痺側の手の指が開きにくいの。指の股やが掌が臭くって、、、。”介護中のご家族からよく聞かれるお悩みです。関節が徐々に固くなる手指も心配ですが、衛生面もとても気になります。
脳梗塞の後遺症で片麻痺の祖母も、在宅介護時の当初は、爪が掌に突き刺さって跡がついたり、汗ばんでくさーくなったり、ただれたり、皮がむけたり、、、。タオルを巻いたものやタオルにガーゼを巻いたものや、市販のものや、市販のものにガーゼを縫い付けたり、ぬいぐるみを握らせたりいろいろ試しました。
そうしているうちに約3年前。入所中の施設で作ってもらったのだと、祖母が手にはめていたクッションを見て驚きました。凄くいいやん!! 聞くとマッサージに来て下さる治療院の職員さんの考案なのだとか。イラスト(完成形1)をご覧下さい。 その後、母がいくつか作ってくれ、ずっと愛用しています。
けれど近頃は、祖母の握りの具合も変わり、骨ホネな手になったせいか、クッションが外れることが多く、装着し続けられず、少々困っておりました。
すると、、、私のブログを見て下さった家族介護者の方が、基本形を発展させて5本とも指をくっつけるタイプを作って下さいました。(完成形2)をご覧下さい。
“あっ、そうか!全部指先を繋げると、初めて扱う人でも迷う事無く装着出来ますね素晴らしい!!”と、早速作り、祖母にも試してもらいました。
ですが、祖母がはめてもまたポロンと落ちてしまう様子。これを基本の形として、祖母の症状に応じた工夫をどんどん試していこうと思っている最中です。
作るのは、大雑把でOK !
作り方はイラストをご参照下さい。
軍手は綿100%がいいですが、綿とポリエステルとの混紡でも構いません。ハサミは縫い糸を切るだけで、手袋本体には使わず作れます。
縫い目は適当で、ごっつくてもいいんです。糸端の玉結びが外に出てたって構いません。中に詰める綿の量?適当です。指の部分に綿が入る事で指の開きも確保しますが、窮屈そう、痛そうだと感じられたなら、入れなくても構いません。一つなら作るのに約30分。裁縫が苦手な方でも40分もあれば出来るのではないでしょうか。
表裏ひっくり返して使えるので、右左兼用です。ころんとして何とも可愛らしい。ふわふわですので健康体な人がはめても幸せを感じられます〜。皆さんの指や手の状態は各々異なりますので、綿を入れる量や、てのひらの部分の丸みの大きさやカーブなどは工夫してみて下さい。
介護者家族の視点で、これっていいんちゃうん?な発見をご紹介致します。
※第16回で、アレンジした形を紹介しています。
→参照記事 「手指を保護するクッション アレンジ編」